2015年GW:高野山から熊野三山、縦走

(2015年4月29日~5月2日:3泊4日テント泊+帰路の新宮→高野山は電車・バス利用)

高野山から熊野三山(熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社)へ…

昨年のゴールデンウィーク、吉野駅から熊野本宮大社(大峯奥駈道)を歩いた(テント泊)。 奈良・和歌山の奥深い山々に魅了され、秋には洞川から稲村ヶ岳・大日岳・山上ヶ岳をグルリップ。 そして今年は高野山から熊野三山(熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社)…すっかりはまってしまいました。

実際は、28日夕方自宅を出て29日深夜(3時過ぎ)に金剛峰寺駐車場着で仮眠後

高野山から熊野那智大社までは歩き(テント泊)、熊野那智大社からは那智駅までバス、那智駅から新宮駅まで電車、 新宮でビジネスホテルを確保した後に熊野速玉大社にお参りした翌日、例の日本一長い路線バス を利用して新宮→五條、五條→橋本(和歌山線)、橋本→極楽橋(南海高野線)→高野山(ケーブルカー)、バスで千手院前、金剛峰寺まで歩いて車を回収
という結果になりました。

大雑把な行程と感想(全てテント泊)

使用した地図は以下からダウンロード(PDF)して、自分のカラープリンターで印刷したものを使用しました。 (昭文社「山と高原地図」に当該地図無し。)
奈良県のページ 和歌山県のページ 十津川村のページ

関連情報

熊野古道(今回は小辺路と中辺路)を歩くと、名前に「大塔(おおとう)」を冠する山や地名が出てきます。 これは、後醍醐天皇の第一皇子「大塔宮護良親王」に因んでいるわけですが、遠く離れた山梨・秋山の地にも「無生野」 と呼ばれる護良親王とその寵愛を受けた雛鶴姫の悲話にまつわる場所があります。リニア実験線の通る峠にひっそりと雛鶴神社があります(一度、訪れてみるのも良いと思います)。
※自分の記録を残すため撮影時間を写真に付記しています。登山時間は気象や体調などで大きく変動します。 一般的なコースタイムとは異なります。

4月29日(水):高野山→三浦口(五百瀬集落、小雨後曇り)

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2015/04/29 7:05:05
金剛峰寺第2駐車場。第1は観光バス等の業務用で一般車は駐車不可になっていた。開創1200年祭ということで、明るくなった途端に満車状態。 夜のうちに入って良かった…
2015/04/29 7:19:22
金剛峰寺から右に暫く歩いて金剛三昧院への曲がり角。右に曲がって小辺路の始まりです。
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2015/04/29 7:38:00
大滝口女人堂跡(女人堂:女性の参詣を禁じた寺院が女性のために特設した堂舎。寺院とは離れた場所に設けられ、女性はここで修行をする。) を過ぎ、林道のような道をろくろ峠。
2015/04/29 8:18:18
薄峠。序章に相応しい道で足慣らし。
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2015/04/29 8:52:14
御殿川に架かる鉄橋を渡り、大滝集落へ…
2015/04/29 9:10:06
野迫川村入り口、水ヶ峰集落跡等を越すがズット高野龍神スカイライン等の車道を歩く部分が多く足の裏が痛くなる…
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2015/04/29 9:16:27
大滝集落の休憩所。トイレ、水が出ています。
2015/04/29 12:16:18
トイレ・自販機があり、この先から本格的な登りになります。
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2015/04/29 12:17:32
右に伯母子岳への登り口。直ぐにジグザグの急登になります。
2015/04/29 13:41:37
凄い急登をこなし、萱小屋跡(避難小屋あり)を過ぎると夏虫山分岐。夏虫山とはなかなか良い名前。落ち葉の気持ち良い道が続きます。
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2015/04/29 14:19:24
伯母子岳山頂(巻くこともできます)。後ろは大峯山系? どれか一つでもわかればイモズル式に同定可と思うのですが、 人がいないので聞くこともできず…
2015/04/29 14:19:38
反対側、こちらもさっぱり…
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2015/04/29 14:29:25
伯母子岳山頂から避難小屋への下り。雰囲気の良い道です。
2015/04/29 14:31:30
伯母子岳避難小屋。テントも数張り可。水はしばらく先の沢(水量少なく、飲用に適するかどうかは?)。
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2015/04/29 15:31:35
旅籠や茶屋の跡が随所に…、壮大な労力を費やして整備したに違いない苔むした石畳(古道)とともに往時が偲ばれます。 三浦口、三田谷橋までの下りは延々と続きます。多分、標識は直線距離表示? 感覚では3Km位歩いても、次の標識は1Kmも進んでいないことにイライラしました。
2015/04/29 18:22:14
初日は三浦口、トイレ前の河原(神納川)で幕営(トイレを管理している近くの民家の方に許可をいただきました)。 水はトイレで補給可。 カジカガエル(河鹿蛙)の鳴き声を聞きながら、 近くで購入したビールと持参したラム酒で良い気持ち…熟睡。

4月30日(木):三浦口→果無観音堂(晴れ)

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2015/04/30 5:46:26
五百瀬の集落。昔は10軒以上の民宿があったが今は2軒(定員4人位)、それもいつまで営業可能かわからないとのこと…
2015/04/30 5:46:33
奥深い山里の集落です。
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2015/04/30 5:58:28
五百瀬集落の道を右折して船渡橋を渡る。民家の庭を右折するような感じで若干わかりにくい。 橋を渡れば三浦峠まで一本道。
2015/04/30 6:35:32
「何でこんな形に?」と思わず叫びそうになった巨樹。
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2015/04/30 8:05:27
三浦峠、ここで幕営する人もいるようです。トイレはあるが水場はありません。手前の三十丁の水で準備するか、大分先の沢で汲む必要があります。
2015/04/30 11:57:10
三浦峠を越え、西中バス停から昴の郷までは延々と車道歩き。アスファルトの照り返しも加わって今回縦走の最難関、 もう少し早く出て10時のバスに乗るべきだった…
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2015/04/30 12:53:12
やっとたどり着いた昴の郷。思わず自販機でコーラを購入してガブ飲み。キャンプ場があり、お風呂に入ることもできるが、まだ早いので先に進みます。
2015/04/30 13:11:43
昴の郷からトンネルを抜け、この吊り橋を渡ればいよいよ天空の里「果無集落」への登りです。しかし、この吊り橋、板が貧弱そうだし何より大きく揺れてかなり怖い。 南アルプスの畑薙にはこの倍近い長さの同様な吊り橋があるけど、これほど怖くはありません。南アルプスの吊り橋は足を置く板の幅が1/3位、つまり強制的に真ん中を 歩かされる分(一見怖そうですが)安定しています。
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2015/04/30 13:40:29
果無集落への登りから振り返った景色。十津川村は明治維新まで税を免除されていたらしいけど、確かに取り立てる方も大変…
2015/04/30 13:49:31
果無の民家の庭先を進みます。右は水飲み場、おいしい水が出ていました。
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2015/04/30 14:12:50
西国三十三所観音霊場に倣った33体の観音石仏。全てに新緑の枝が添えられていました。地元の方々の心が伺われます…
2015/04/30 15:36:47
果無峠手前の観音堂で幕営。トイレがあり、非常においしい水がホースからジャンジャン流れています。 長い期間同じように流れているようで、ホースの水が流れ落ちる場所に タゴガエル が住み着いていて、一晩中ゲッゲッと賑やかに鳴いていました。

5月1日(金):果無観音堂→小口キャンプ場(晴れ)

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2015/05/01 6:58:42
果無峠手前からの雲海。大塔山方向でしょうか? 相変わらず答えてくれる人は無し…
2015/05/01 7:08:08
シハイスミレ(紫背菫) タチツボスミレより多い気がします。
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2015/05/01 7:25:27
展望のない果無峠、下ればいよいよ熊野本宮大社です。
2015/05/01 8:16:14
見た目の石畳より、このような道の方が歩きやすい…
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2015/05/01 8:37:10
熊野川、その向こうは大峯山系の山々と思うのだけれど…
2015/05/01 8:52:29
川と山に挟まれた集落が見えてきました。
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2015/05/01 8:58:56
気持ち良い道をガンガン下ります。
2015/05/01 9:36:48
八木尾バス停前、小辺路の入り口に降り立ちます。ここから熊野本宮大社、さらに小雲取越えの入り口である請川まで、長い車道歩きが続きます。
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2015/05/01 9:38:52
まずは熊野本宮大社へ…
2015/05/01 10:58:51
昨年のGWに続き、再びの熊野本宮大社。
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2015/05/01 10:59:30
観光客に交じって、お参り…
2015/05/01 11:11:48
お参り後、大斎原(おおゆのはら)を通って168号に戻り、小雲取越の入り口、請川を目指します。
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2015/05/01 11:49:58
右の橋は大峯奥駈道へ… 昨年、最終日、この橋を反対側から渡って後ろの熊野本宮大社に向かいました。
2015/05/01 12:28:42
請川、小雲取越の入り口を上がります。「通行止め」標識は無視(当然自己責任)して登ります。 途中で聞いた民家の方が親切にも色々電話をかけて調べてくださいました。結果、崩落しているが通れないことは無く何人かは通過している、 さらに迂回路は相当大回りになるとのことだったので…
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2015/05/01 13:00:15
車道歩きは終わり、再び気持ちの良い古道が続きます。
2015/05/01 14:23:11
百閒ぐら、手前の崩落は全く問題なし。通行対象者の範疇が広いので、行政としても「通行止め」とせざるを得ないのでしょう。 通過はあくまで自己責任です。
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2015/05/01 16:58:37
小雲取を越え小和瀬集落に下ります。右のトンネルを抜け小口キャンプ場を目指します。
2015/05/01 18:46:12
小口キャンプ場で三泊目の幕営。お風呂、ビール、持参のラムでまったり… 最高の場所です!

5月2日(土):小口キャンプ場→熊野那智大社(晴れ)

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2015/05/02 6:55:43
ムラサキサギゴケ
キャンプ場の芝や民家の庭・路地などに沢山咲いていました。
※2019/5/14修正(トキワハゼではないようだ。。。)
2015/05/02 7:45:24
いよいよ大雲取を越えて熊野那智大社へ… 胴切坂は標高差800mの直登り! しかし、道は整備されているので気持ち良く登れました(丹沢ではありふれた標高差…)。
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2015/05/02 7:48:44
岩とツツジ。ツツジや石楠花がポツリポツリと咲いていました。昨年の五大尊岳周辺に比べるとかなり寂しい感じです。
2015/05/02 8:19:00
ウラシマソウ(浦島草、サトイモ科テンナンショウ属)
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2015/05/02 10:05:47
トウカイスミレ(東海菫)
2015/05/02 11:01:38
ヒメレンゲ(姫蓮華、ベンケイソウ科)
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2015/05/02 13:40:58
那智からの距離を示す標識。やっと1番、那智に到着です。
2015/05/02 13:53:48
熊野那智大社、青岸渡寺!
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2015/05/02 14:05:41
青空に緑が綺麗に映えていました。
2015/05/02 14:11:55
那智の滝
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2015/05/02 14:19:36
熊野那智大社にお参りしたら、三重塔前を下りて滝のそばに向かいます。
2015/05/02 14:32:44
那智の滝、さすがに落差はかなりのものです。
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2015/05/02 15:39:09
熊野那智大社からはバスで那智駅(紀勢本線)。熊野速玉大社までもう一泊して行くことも考えたが、 明日から天気が崩れることと、残りは殆ど車道歩き…もう車道は十分ということで、本日で縦走を終了させることにしました。
2015/05/02 15:51:43
那智駅は無人駅、なんとドア入り口で整理券を発行しています。ここから新宮に向かいます。
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2015/05/02 17:18:14
熊野速玉大社。新宮でビジネスホテルを確保、荷物を部屋に置いてから速玉大社にお参りです。
2015/05/02 17:25:31
本宮大社や那智大社に比べると人は少なめ、静かです。

5月3日(日):新宮→高野山(晴れ後小雨)

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2015/05/03 7:39:03
新宮駅、高野山に置いてある車を回収すべく、まずはここから(新宮駅が始発)五條駅までバスで戻ります。
2015/05/03 9:17:39
帰路のバスの中。
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2015/05/03 11:34:28
バスは2箇所で休憩します。この吊り橋、今は一方通行、渡ると反対側からバスで戻らなければならない…休憩時間内に戻れなくなります。
2015/05/03 13:48:04
五條駅、5時間の長い長いバスの旅…高速を走らない路線バスで4500円の運賃というのは人生初かも? ここから和歌山線で橋本駅まで。
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2015/05/03 15:41:29
橋本駅から南海高野線の特急こうや(全席指定)で極楽橋へ… 特急だけどかなり遅い、といっても途中駅は全てパスなので特急料金は納得?
2015/05/03 15:42:56
極楽橋からはケーブルカーで高野山駅まで登ります。さらに高野山駅からバスで千手院橋に…暫く歩いて、やっと金剛峰寺駐車場です。
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2015/05/03 17:24:55
車に荷物を置いたら、金剛峰寺にお参りです。
2015/05/03 17:27:59
外の人ごみに比べると比較的少ない境内。
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2015/05/03 18:03:20
奥ノ院まで散策。しかし、この先は異種独特の凄い雰囲気でした! 
2015/05/03 18:15:04
比較的質素な武田信玄の墓所
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2015/05/03 18:33:15
奥ノ院

まとめ

危ない所もなく(車道が一番危険?)、ひたすら歩き、適当なところで幕営…良い旅でした。

昨年の大峯奥駈道(吉野→熊野本宮大社)は4泊5日、今年の高野山から熊野那智大社が3泊4日。地図を見ると高野山から熊野那智大社の方が長いのですが、 費やした日数は逆に今年が一日少ない結果となりました。 つまり、大峯奥駈道はそれだけ手ごわいルートということになります。 どちらも「熊野古道」に含まれるのですが、一般の熊野古道ガイドブックには大峯奥駈道の詳細は記述されていません。 大峯奥駈道は一般向けではなく、個々の山をピストンするならともかく、縦走となると1ランク上の技術・体力が必要です。

食料

衣類

ザック重量

約18Kg強(初日、水を含む)