マイヅルソウ マツカゼソウ ミソガワソウ ミツガシワ ミツバツチグリ ミネズオウ ミヤコグサ ミヤマオトコヨモギ ミヤマキンバイ ミヤマタネツケバナ ミヤマハナシノブ ミヤマママコナ ムシトリスミレ ムラサキサギゴケ ヤクシソウ ヤグルマソウ ヤナギラン ヤブジラミ ヤブラン ヤマエンゴサク ヤマガラシ ヤマハギ ヤマブキ ヤマルリソウ ユキザサ ユキノシタ ユリワサビ ヨツバヒヨドリ ラショウモンカズラ ラン リュウキンカ リンドウ リンネソウ ルイヨウボタン ワチガイソウ

マイヅルソウ

マイヅルソウ(舞鶴草)[ユリ科](花期:6〜8月)
2006年6月24日 平標山

二枚のハート形の葉が羽を開いた鶴に似ていることから。
2006年7月1日 櫛形山
マイヅルソウの実。

マツカゼソウ

マツカゼソウ、柑橘系の香りが強い。
2004年9月5日 鍋割山(丹沢)

ミソガワソウ

ミソガワソウ
2004年7月17日 北岳

ミツガシワ

ミツガシワ(三槲)[ミツガシワ科](花期:4〜8月)
2005年6月25日 尾瀬

3個の小葉を持ち、それがカシワの葉に似ていることに因む。

ミツバツチグリ

ミツバツチグリ(三葉土栗)[バラ科] (花期:春)
2006年5月20日 神山巻き道(箱根)

キジムシロ、ツルキンバイ、ヘビイチゴ等の黄色い花の同定は難しい。 区別は以下のようになる
  1. キジムシロとそれ以外
    葉が(ムカデ足のように)5〜9枚ならキジムシロ。キジムシロは「ほふく茎」を出さないことも特徴。葉が手のひらのように5枚ならオヘビイチゴ(バラ科キジムシロ属)。
    葉が3小葉なら以下。
  2. ヘビイチゴ系とそれ以外
    萼が目立ち、茎に花一個ならヘビイチゴ系。
    茎に複数の花なら以下。
  3. ミツバツチグリとツルキンバイ
    葉の鋸歯が目立ち両面に毛がある。 ほふく茎の葉が他の葉とほぼ同じサイズならツルキンバイ。

ミネズオウ

ミネズオウ
2005年6月18日 硫黄岳(八ヶ岳)

ミヤコグサ

ミヤコグサ(都草)[マメ科](花期:春〜秋)
別名:エボシグサ(花の形が鳥帽子と似ているから)
2006年10月22日 万太郎山登山口(谷川連峰)

淀君やクレオパトラが好きだった花(と伝えられる)。

ミヤマオトコヨモギ

ミヤマオトコヨモギ
2004年8月1日 三伏峠

ミヤマキンバイ

ミヤマキンバイ
2004年8月8日 槍ヶ岳

ミヤマタネツケバナ

ミヤマタネツケバナ(アブラナ科)[深山種漬花](花期:6-8月)
2005年6月18日 赤岳・横岳(南八ヶ岳)

田植えの前に種籾(モミ)を水につける時期に咲く「種付け花」の高山型という意味。 別名ミネガラシ。根生葉は奇数羽状複葉で小葉は3-7個。

ミヤマハナシノブ

2004年7月17日 北岳

ミヤマママコナ

ミヤマママコナ(深山飯子菜)[ゴマノハグサ科](花期:8〜9月)
2005年9月17日 白沢(餓鬼岳)

名前は、写真でわかるように、花の中にある白斑点を飯粒に見立てたものといわれる。 また、白い種が米粒に見えるからという説もあるようだ。

ムシトリスミレ

ムシトリスミレ(虫取菫)[狸藻(たぬきも)科](花期:6〜8月)
2006年7月17日 秋田駒ケ岳

名前の通り、食虫植物。ただし、似ているがスミレの仲間ではない。

ムラサキサギゴケ

ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)[ゴマノハグサ科](花期:春〜夏)
2006年5月13日 ユーシンロッジ(丹沢)

トキワハゼ(常葉黄櫨)に似ているが、花はやや大きく色も濃い。 地面を這う横枝を出すので、トキワハゼと区別できる。

ヤクシソウ

ヤクシソウ(薬師草)[キク科](花期:夏〜秋)
2006年10月29日 御前山(奥多摩)

葉が茎を抱く。切ると白い乳液を出す。 咲いたあとは下を向く。

ヤグルマソウ

ヤグルマソウ(矢車草)[ユキノシタ科](花期:6〜8月)
2005年7月3日 櫛形山

5枚の小葉からなる根生葉が鯉幟(こいのぼり)の竿の先端に付ける矢車に似ているからこの名がついた。 園芸植物でヤグルマソウと呼ばれるものは、正しくはヤグルキク(矢車菊)。

ユリワサビ

ユリワサビ(百合山葵)[アブラナ科](花期:3〜5月)
2006年3月19日 高尾山

花は直径約5mm。白くて小さい。

ヤナギラン

ヤナギラン(柳蘭)[アカバナ科](花期:夏)
2004年7月25日 車山

細長い葉がヤナギ(柳)に似ていて、花がラン(蘭)のようだから。 ただし、ラン科ではなくアカバナ科。 高さは1m〜1.5mほどになり、かなり大きい。

ヤブジラミ

オヤブジラミ(雄薮虱)[セリ科](花期:春)
2007年4月21日 坪山登山口

春に高さ70cmほどになる。名前は果実がシラミのように衣服にくっつくことから。ヤブジラミとよく似ているが、オヤブジラミは春にだけ花を咲かせる。 これに対して、ヤブジラミは夏に花を咲かせる。

ヤブラン

ヤブラン(薮蘭)[ユリ科](花期:秋)
2006年9月9日 陣馬山・高尾山間(明王峠)

葉みるとシュンランやジャノヒゲとよく似ている。 黒紫色の果実が稔る。

ヤマエンゴサク

ヤマエンゴサク(山延胡索)[ケシ科](花期:4〜5月)
2005年4月23日 御前山

延胡索(えんごさく)とは、鎮痛などに薬効(中国産だけ)があるので漢方薬 として用いられたことがあることに因む。 同様な花にジロボウエンゴサクがある。ジロボウエンゴサクには根生葉があること。 塊茎(地下の球根のような茎のかたまり)から数本の茎を出す。 そこから小葉に分かれた葉が出る。

これに対してヤマエンゴサクは

  • 塊茎から1本の茎を出し枝分かれする。
  • 枝分かれ部分に鱗片状の葉が付く。
という特徴がある。

ヤマガラシ

ヤマガラシ(山芥子)[アブラナ科](花期:5〜8月)
2005年6月18日 赤岳(八ヶ岳)

ミヤマガラシともいう。 辛みがあるので「芥子」。

ヤマハギ

ヤマハギ(山萩)[マメ科](花期:7〜9月)
2005年9月3日 編笠山(八ヶ岳)

秋の七草(ハギ、キキョウ、クズ、ナデシコ、オバナ(ススキ)、オミナエシ、フジバカマ)の一つ。

ヤマブキ

ヤマブキ
2005年5月4日 両神山

ヤマルリソウ

ヤマルリソウ(山瑠璃草)[ムラサキ科](花期:3〜5月)
2005年5月14日 書策新道(丹沢)

ユキザサ

ユキザサ(雪笹)[ユリ科](花期:6〜8月)
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

名前の由来は、白い花を雪にたとえ、また葉が笹のようであるから。

ユキノシタ

ユキノシタ(雪の下)[ユキノシタ科](花期:晩春〜初夏)
2005年6月5日 旧高畑集落の廃屋そば(奥多摩、飛龍山)

葉は精進料理などで天ぷらにされる(らしい)。 名前の由来は、寒い冬に雪の下になっても枯れないから。
ハルユキノシタ(春雪の下)[ユキノシタ科](花期:4〜6月)
2006年5月28日 本谷林道(丹沢)

湿った岩場に自生する。 ダイモンジソウ等のユキノシタの仲間は、夏から秋にかけて花をつける。ハルユキノシタ(と人里周辺に生えるユキノシタ)は名前からもわかるとおり、雪の溶けるく春に花をつける。

ヨツバヒヨドリ

ヨツバヒヨドリ
2004年8月1日 三伏峠。

ラショウモンカズラ

ラショウモンカズラ(羅生門蔓)[シソ科](花期:4〜6月)
2005年6月26日 富士見下(尾瀬)

羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼の腕に見たてた(うーん)。

ラン(ラン科、ランと名の付くもの)

イチヨウラン(一葉蘭)[ラン科](花期:春)
2006年6月11日 桜平(八ヶ岳)

名前は先の少し尖った楕円形の葉が1枚だけ根元のつくから。 茎の先に花はひとつだけ咲く。
カキラン(柿蘭)[ラン科](花期:夏)
2007年7月29日 尾瀬

名前は花の色が柿の実に似ていることから。
コイチヨウラン(小一葉蘭)[ラン科](花期:春〜夏)
2006年8月16日 三伏峠(南アルプス)

苔むした地表や倒木に生える小さいイチヨウラン(つまり、葉は1枚)。 目立たないので見逃してしまうことが多い。 三伏峠から鳥倉林道に下山途中で見つけた。
ホテイラン(布袋蘭)[ラン科、絶滅危惧種](花期:春)
2007年6月10日 八ヶ岳

長さ1.2〜2.5センチで淡紅色の美しい花が咲く。 名前は唇弁の形が布袋様の腹を思わせることによる。 深山の針葉樹林下のやや暗い所に生える。 残念ながら美しいランゆえ、盗掘がひどい。栽培は不可能なのに!
シュンラン(春蘭)[ラン科](花期:春)
2007年4月1日 高尾山

ホクロ、ジイババなどの別名がある。 登山道の脇にひっそりと咲いていた。ずっとそのまま、そこにいてほしい。
ササバギンラン(笹葉銀蘭)[ラン科](花期:5〜7月)
2005年6月25日 富士見下(尾瀬)

名前はギンランに似ていて、また葉が長く笹の葉を思わせることに因む。
コケイラン(小恵蘭)[ラン科](花期:6〜7月)
2005年7月3日 櫛形山

ケイランというランに似た小型のランという意味。
オオバタケシマラン(大葉竹縞蘭)[ユリ科](花期:6〜8月)
2005年7月10日 鳩待峠(尾瀬)

花柄の途中に関節があり、ねじれる。 タケシマランの花柄はねじれないので区別できる。 果実は赤く熟す。
タケシマラン(竹縞蘭)[ユリ科](花期:6〜8月)
2006年6月11日 硫黄岳(八ヶ岳)

タケシマランの花柄はねじれない。
タケシマランの実
2005年9月10日 鳳凰三山(南アルプス)
キバナノアツモリソウ(黄花敦盛草)[ラン科アツモリソウ属](花期:7〜8月)
2005年7月3日 櫛形山
黄色い花のアツモリソウという意味。
オノエラン(尾上蘭)[ラン科ハクサンチドリ属](花期:6〜7月)
2006年7月17日 秋田駒ヶ岳
花は一方に向いて咲く。
ショウキラン(鍾馗蘭)[ラン科ショウキラン属](花期:6〜8月)
2006年7月30日 長沢新道(尾瀬)

笹の根に着生して栄養分を取り、葉緑素を持たず光合成をしない。 (それでもラン科?) 花の印象が頬当をした武者の顔に似ているので、病気や鬼を追い払う鐘馗(しょうき)に見立てた。

リュウキンカ

リュウキンカ(立金花)[キンポウゲ科リュウキンカ属](花期:6〜8月)
2005年7月10日 山の鼻(尾瀬ヶ原)

花の大きさは3cm前後で目立つ。 名前の由来は、花茎が立ち金色の花をつけるから。

リンドウ

フデリンドウ(筆竜胆)[リンドウ科](花期:3〜5月)
2008年5月18日 笹子雁ヶ腹摺山

名前は、花の様子が筆の穂先に似ているから。春に咲くリンドウはフデリンドウ、コケリンドウ、それにハルリンドウがある。大きな違いとしてフデリンドウだけは根生葉が無いことで区別できる。 コケリンドウは他の2種に比べて非常に小さい、がく片の上部(先)が反り返っている。 ハルリンドウが一番大きく、がく片の上部は反り返っていないことで区別できる。
ハルリンドウ(春竜胆)[リンドウ科](花期:3〜5月)
2007年4月8日 生藤山登山口(鎌沢)

フデリンドウやコケリンドウより大きいが、それでも他(秋)のリンドウに比べると若干小さい。
コケリンドウ(苔竜胆)[リンドウ科](花期:3〜5月)
2005年5月14日 表尾根(丹沢)

春咲くリンドウの中では一番小さい。 花冠は5裂する。ただし、間にある副片が大きいので10弁のように見える。
タテヤマリンドウ(立山竜胆)[リンドウ科](花期:5〜7月)
2005年6月25日 尾瀬

ハルリンドウの高山型。
リンドウ(竜胆)[リンドウ科](花期:10〜12月)
2004年10月24日 長尾尾根(丹沢)。

秋の丹沢の登山道では、よく見ることが出来る。
トウヤクリンドウ(当薬竜胆)[リンドウ科](花期:8〜9月)
2004年8月1日 三伏峠

リンドウの仲間では珍しくクリーム色。 胃の薬として珍重されたので当薬リンドウ。
ミヤマリンドウ(深山竜胆)[リンドウ科](花期:7〜9月)
2004年8月8日 槍ヶ岳

青紫色の花が印象的だった。
ツルリンドウ(蔓竜胆)[リンドウ科](花期:9〜10月)
2005年9月17日 白沢(餓鬼岳)

その名の通り、つるの先に花が咲く。赤色の果実を稔らせる。

リンネソウ

リンネソウ(リンネ草)[スイカズラ科、リンネソウ属](花期:7〜8月)
2005年7月31日 根石岳(八ヶ岳)

花が一つの枝に2個並んで咲くので夫婦花とも。エゾアリドオシという和名もある。 花の咲く様と「リンネ」から「輪廻」を思い浮かべやすいが、実はスウェーデンの 植物学者リンネがこよなく愛した花であることにちなむ。

ルイヨウボタン

ルイヨウボタン(類葉牡丹)[メギ科、ルイヨウボタン属](花期:4〜6月)
2009年6月7日 富士見下(尾瀬)

名前は葉の形が牡丹に似ているから。

ワチガイソウ

ワチガイソウ(輪違い草)[ナデシコ科](花期:4〜6月)
2007年5月12日 蛭ヶ岳

写真でわかるようにワチガイソウの花弁は常に5枚。 これに対してヒゲネワチガイソウの花は花弁が5〜7枚なので区別できる。 またワチガイソウの方が花弁も葉も幅が広い。
ヒゲネワチガイソウ
2005年5月8日 夜叉神峠