花(あ〜)

アオキ アカバナユウゲショウ アカモノ アケボノソウ アマドコロ アマナ イカリソウ イケマ イチゲ イチヤクソウ イチリンソウ イヌノフグリ イブキジャコウソウ イワイチョウ イワウメ イワウチワ イワカガミ イワナシ イワベンケイ ウサギギク ウスバサイシン ウスユキソウ ウツギ ウツボグサ ウバユリ ウメバチソウ ウラジロヨウラク ウルップソウ エンゴサク エンレイソウ オウレン オオバギボウシ オオハンゴンソウ オオマルバノホロシ オオレイジンソウ オカトラノオ オサバグサ オゼソウ オゼタイゲキ オダマキ オトギリソウ オドリコソウ オヤマノエンドウ オヤマボクチ

アオキ

アオキ(青木)[ミズキ科アオキ属](花期:3〜4月)
2008年3月16日 高尾山

葉が一年中青々としているのが名前の由来とか。雌雄異株。 春にアズキ色の花を咲かせて、秋に楕円形の果実をつける(雌株)。 そして、果実は冬から翌春にかけて赤く熟す。 やけどやはれものに薬功がある。 生の葉を金網の上に乗せ弱火であぶると黒く軟らかくなる。これを患部に貼り付ける。

アカバナユウゲショウ

アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)[アカバナ科マツヨイグサ属](花期:春〜夏)
2008年5月18日 自宅周辺

アメリカ大陸からの渡来種。現在は野生化したものが生えている。 なんとも艶っぽい名前。花はクワガタソウやアカバナと似ているがずっと大きい。

アカモノ

アカモノ(赤物)[ツツジ科](花期:6〜7月)
2006年6月24日 平標山

別名:イワハゼ(岩櫨)
アカモノとはシラタマノキの白い実対比してつけられた名前。 赤く熟し、甘みがあるとのこと(ただし、シラタマノキは食べられるとは 思えない)。アカモモ(赤桃)がなまったものという説もある。 イワハゼの別名は岩地などに生えることから。

アケボノソウ

アケボノソウ(曙草)[リンドウ科](花期:9〜10月)
2005年9月17日 白沢(餓鬼岳)

花弁の方にある斑点が特徴、それを夜明けの星座に見立てた。

アマドコロ

アマドコロ(甘野老)[ユリ科](花期:春)
2007年6月2日 三條小屋(奥多摩)

ナルコユリとよく似ているが、 ナルコユリは茎が丸いのに対して、アマドコロは茎に角(稜)がある。 名前はは、根茎がヤマノイモ科のトコロ(オニドコロ)に似て、甘味があるということから。

アマナ

チシマアマナ(千島甘菜)[ユリ科](花期:6〜7月)
2005年6月18日 赤岳・横岳(南八ヶ岳)

球根は煮て食べると甘味がある。

イカリソウ

イカリソウ(碇草)[メギ科](花期:4〜5月)
2006年5月6日 坪山(びりゅう館コース)

錨草と書くこともある。 滋養・強壮に効力があるとか。
クモイイカリソウ(雲居碇草)[メギ科](花期:7〜8月)
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

花形が錨に似ていることから、この名がある。

イケマ

イケマ(牛皮消)[ガガイモ科](花期:7〜8月)
2004年7月11日 鳥倉林道

白色の小さな花を多数咲かせる。茎はつるとなって巻き付く。葉は対生して心臓形し先はとがる。 ガガイモと同様に茎葉を折ると白い乳液が出る。 太い根を乾燥したものを牛皮消根といい痛み止め、下痢、化膿防止、利尿剤として利用されるがアルカロイドを含み有毒。

イチゲ

アズマイチゲ(東一華)[キンポウゲ科](花期:4〜5月、草丈:15〜25cm)
2005年3月20日 四阿屋山

「東」は関東、「一華」はイチリンソウ属(一輪草、学名はアネモネ)の花。 花が茎の先に1個だけつくので一輪草。関東産イチリンソウの意味だが、 北海道にも分布(するそうだ)。 多年草。花弁に見えるのはがく片で8〜13枚。 キクザキイチゲとよく似ているが、アズマイチゲの葉は3小葉に分かれ、先は丸みがあって少し垂れ下がって見える。 ヒメイチゲの花はがく片の数が5〜7枚と少ない。
アズマイチゲ
2005年4月23日 御前山
キクザキイチゲ(菊咲一華)[キンポウゲ科](花期:4〜5月)
2007年4月7日 伝道(丹沢)

菊のような花を咲かせる一輪草という意味。 箱根のコキクザキイチゲより大型。花はアズマイチゲとそっくりだが 葉の切れ込みで区別できる。
コキクザキイチゲ(小菊咲一華)[キンポウゲ科](花期:4〜5月、草丈:15〜20cm)
2005年4月24日 箱根、神山・駒ヶ岳

菊のような花を咲かせる一輪草という意味。箱根に多く見られ、小さく可憐。 多年草で花弁に見えるのはすべてがく片(10枚前後)。 白花、薄い青、紫色の花も見かける。 葉は長い柄と深い切れ込みがある。
ヒメイチゲ(姫一華)[キンポウゲ科](花期:5〜7月)
2005年6月11日 硫黄岳

イチリンソウ属の中でも小さくて繊細な容姿からヒメイチゲか?

イチヤクソウ

イチヤクソウ(一薬草)[イチヤクソウ科](花期:6〜7月)
2005年7月31日 根石岳(八ヶ岳)

名は降圧、抗菌等の薬草として利用されたことに由来する。

イチリンソウ

イチリンソウ(一輪草)[キンポウゲ科](花期:春)
2006年4月23日 日影沢(高尾山)

ニリンソウとほぼ同時に咲く。花はより大きく、葉に柄があるのが特徴。

イヌノフグリ

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)[ゴマノハグサ科](花期:3〜5月、帰化植物)
2005年4月29日 小袖(雲取山)

ヨーロッパから渡来した帰化植物。 2年草。実の形が犬の陰嚢(ふぐり)に似ていることからついた。 属名はVeronica(ゴルゴダ刑場に向かうキリストの汗をふき取った聖女の名前)。

イブキジャコウソウ

イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)[シソ科](花期:6〜8月)
2005年9月3日 権現岳(南八ヶ岳)

名前は伊吹山に多く、麝香の香りがすることから。

イワイチョウ

イワイチョウ(岩銀杏)[ミツガシワ科イワイチョウ属](花期:6〜8月)
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

葉の形がイチョウの葉に似ていて、岩に生えるのでこの名がある。

イワウメ

イワウメ(岩梅)[イワウメ科](花期:6〜7月)
2005年6月18日 赤岳・横岳(南八ヶ岳)

岩場に生え、花が梅に似ているから岩梅。

イワウチワ

イワウチワ(岩団扇)[イワウメ科](花期:春)
2007年4月14日 広沢山(奥多摩、御岳山の前衛)

岩場に生え、遠くからだとイワカガミにちょっと似ているが良く見れば間違えることはないはず。 名前は葉がうちわ(団扇)に似ているのに因む。

イワカガミ

イワカガミ(岩鏡)[イワウメ科](花期:5〜8月)
2004年7月3日 仙丈岳

岩場や急傾斜地に群生し、光沢のある葉を鏡に見立てた。

イワナシ

イワナシ(岩梨)[ツツジ科イワナシ属](花期:5〜7月)
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

秋に果実が付き食べられる、その実が梨に似ていることから命名された。

イワベンケイ

イワベンケイ(岩弁慶)[ベンケイソウ科](花期:7〜8月)
2005年7月17日 白馬岳

雌雄異株。雄株は黄色の小花を多数つける。雌株は花が赤く小さいので目立たない。 名前は、岩場に咲くベンケイソウの意味。ベンケイは強健な性質を弁慶に例えた。

ウサギギク

ウサギギク(兎菊)[キク科ウサギギク属](花期:7〜8月)
別名:キングルマ
2005年8月14日 上河内岳(南アルプス)

茎に対生する2枚の葉が兎の耳に見えるのでこの名がある。

ウスバサイシン

ウスバサイシン(薄葉細辛)[ウマノスズクサ科](春)
2008年4月6日 角田山(新潟)

サイシン(細辛)とは、根を漢方で鎮痛・鎮咳等に用いたところから(辛い?)。

ウスユキソウ

ウスユキソウ(薄雪草)[キク科ウスユキソウ属](花期:7〜10月)
2004年7月25日 車山

薄雪をかぶったように白い綿毛で覆われているので「薄雪草」。 エーデルワイスも同じウスユキソウ属に属する。
ホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草)[キク科ウスユキソウ属](花期:7〜8月)
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

細い葉のヒナウスユキソウ(ミヤマウスユキソウ)という意味。

ウツギ

ウツギ(空木)[ユキノシタ科](花期:春)
2005年5月4日 両神山

落葉の低木。よい香りがある。 茎が中空なので空木と呼ばれる。

別名は「ウノハナ(卯の花)」。
♪卯の花の匂う垣根に...の歌にある、あのウノハナ(卯の花)。
ヒメウツギ(姫空木)[ユキノシタ科](花期:春)
2005年6月4日 後山林道

高さ1メートル位の落葉低木。岩壁などの急傾斜地に生育することが多い。 木も花もウツギより小さく繊細な気がする。
ツクバネウツギ(衝羽根空木) [スイカズラ科] (花期:5〜6月)
2005年5月4日 両神山

先端にプロペラのようなガク片を残す果実が衝羽根に似ていることからこの名がついた。
タニウツギ(谷空木)[スイカズラ科] (花期:5〜7月)
別名:ベニウツギ(紅空木)
2006年6月24日 平標山

花自体はツクバネウツギに似ているが、色は別名の如く赤い。

ウツボグサ

ウツボグサ(靭草) [シソ科](花期:6〜8月、草丈:10〜30cm)
2004年7月25日 車山

花穂を弓の矢を入れるうつぼ(靭)に見立てた。

ウバユリ

オオウバユリ(大姥百合)[ユリ科ウバユリ属](花期:7-8月)
2005年7月18日 白馬尻(白馬岳)

球根からはデンプンが採れ、若芽は食用になる。 花の頃には(花を育てた)下葉が枯れていることが多いので“葉”と“歯”をひっかけて姥(うば)に見立てて名付けられた。

ウメバチソウ

ウメバチソウ(梅鉢草)[ユキノシタ科](花期:夏〜秋)
2004年8月1日 三伏峠

花が梅鉢の紋に似ているところから。 茎頂に直径2-2.5センチの5弁の白花を1個咲かせる。 また、花茎には無柄の葉がこれまた1枚付く。

ウラジロヨウラク

ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)[ツツジ科](花期:6〜8月)
2006年6月24日 平標山

別名:ツリガネツツジ
葉の裏が白い。ヨウラクとは首飾りや建物の軒に下げる飾りという意味。

ウルップソウ

ウルップソウ(得撫草)[ゴマノハグサ科](花期:7〜8月)
2005年6月18日 硫黄岳(八ヶ岳)

千島のウルップ島ではじめて採集されたのでこの名がある。 八が岳や白馬岳くらいでしか見られない。

エンゴサク

(延胡索)[ケシ科](花期:早春、スプリングエフェメラル)
上:ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)、2008年4月20日 金時山の下(箱根)
下:ヤマエンゴサク(山延胡索)、2008年5月3日 ハマイバ丸(中央線沿線)

中国原産、日本に薬草として伝えられたらしい。薬草の名前が「延胡索」で、根を乾燥させたもの。鎮痛作用がある。さらに次郎坊は太郎坊(スミレ)に対する方言名、距を互いに引っかけてちぎれた方が負けという昔の遊びに因む。ヤマエンゴサクとジロボウエンゴサクの区別は花柄の基部につく苞の先端が細かく切れ込むのがヤマエンゴサクで、ジロボウエンゴサクの苞は卵形で単に先端が尖る。

エンレイソウ

エンレイソウ(延齢草)[ユリ科](花期:4〜6月、草丈:20〜50cm)
2004年7月11日 鳥倉林道

名前は、中国で「延齢草根」という名の胃腸薬として用いられていたから。 大きな3枚の葉、雄しべの数も3の2倍で6つ、さらに開花するまで15年もかかる(らしい)。
ミヤマエンレイソウ
2005年4月23日 御前山

オウレン

バイカオウレン(梅花黄連)[キンポウゲ科オウレン属](花期:4〜8月)
2005年4月30日 芋の木ドッケ(長沢背稜)

花の様子が梅(うめ)の花に似ているので梅花(ばいか)、 根が黄色いので黄蓮(おうれん)で「梅花黄連」。 また、葉の数からゴカヨウオウレン(五加葉黄蓮)の別名もある。 古くから胃薬として知られる。
ミツバオウレン(三葉黄蓮)[キンポウゲ科オウレン属](花期:4〜8月)
2005年6月11日 桜平(硫黄岳)

根生葉が3枚葉なので三葉。
ミツバノバイカオウレン(三葉の梅花黄連)[キンポウゲ科オウレン属](花期:4〜8月)
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

3枚葉まではミツバオウレンと同じ。花柄が赤褐色、ミツバオウレンは黄緑色であることで区別する。
セリバオウレン(芹葉黄連)[キンポウゲ科オウレン属](花期:春)
2006年6月11日 夏沢鉱泉(硫黄岳)

葉がセリ(芹)の葉に似ているから。

オオバギボウシ

オオバギボウシ(大葉擬宝珠)[ユリ科] (花期:8〜10月)
2004年7月25日 車山

ギボウシとは、蕾の形を橋の欄干につく擬宝珠に見立てた。 オオバは、その中でも葉が大きいことからついた。 花は下から上へ順番に咲く。 葉や茎は食用になるが、バイケイソウやコバイケイソウなどの毒草と 芽出しの時期は良く似ているので注意が必要。

オオハンゴンソウ

オオハンゴンソウ(大反魂草)[キク科] (花期:秋)
2006年10月22日 万太郎山登山口(谷川岳)

葉や花はキクイモ(菊芋)と似ている。ただし、よく見ると下のほうの葉が手の形に切れているのが決定的な違いで大反魂草と判明。中央の筒状花の部分が半球状に盛り上がり、花びらが垂れ下がるのも特徴。北アメリカ原産の帰化植物。

オオマルバノホロシ

オオマルバノホロシ(大丸葉保呂之)[ナス科] (花期:7〜9月)
2007年7月28日 尾瀬

名前はナス科・ツル性多年草のヒヨドリジョウゴの古名であるホロシと、 大きい丸葉から(らしい)。 いかにも「ナス」と言う感じの紫色の花で、秋には楕円形の赤い実がなる「有毒」。

オオレイジンソウ

オオレイジンソウ(大伶人草)[キンポウゲ科](花期:7〜8月)
2005年7月17日 白馬尻

レイジンソウは花の色が青っぽい。オオレイジンソウは写真のようにクリーム色(最初はトリカブトのできそこないかと思った)。 名は、花が雅楽の伶人(楽器奏者)がかぶる冠に似ているから。

オカトラノオ

オカトラノオ(丘虎尾)[サクラソウ科オカトラノオ属](花期:7〜8月)
2006年7月1日 櫛形山

白い花が穂のようにつき、頭を曲げる特徴がある。

オサバグサ

オサバグサ(筬葉草)[ケシ科、オサバグサ属](花期:5〜7月)
2005年7月31日 根石岳(八ヶ岳)

和名は葉が機織の筬に似ているところからきている。 花が無いとシダの葉と区別するのが難しい。日本特有の植物。

オゼソウ

オゼソウ(尾瀬草)[ユリ科オゼソウ属](花期:6〜7月)
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

谷川岳と至仏山に見られ、蛇紋岩地の湿った草地に生える多年草。 名は発見地の尾瀬至仏山にちなむ。

オゼタイゲキ

オゼタイゲキ(尾瀬大戟)[トウダイグサ科トウダイグサ属](花期:6〜7月)
2006年6月18日 尾瀬ヶ原(尾瀬)

ノウルシに似ている。

オダマキ

ヤマオダマキ(山苧環)[キンポウゲ科](花期:6-8月)
2004年6月27日 甘利山

オダマキとは麻糸を巻いた管のことで 距を立てた花の形が似ていることからこの名がある。
ミヤマオダマキ(深山苧環)[キンポウゲ科](花期:6-7月)
2005年7月17日 白馬岳

深山に生えるオダマキ。

オトギリソウ

オトギリソウ(弟切草)[オトギリソウ科](花期:8ー9月)
2004年8月7日 槍ヶ岳

名前の由来は、鷹の傷を治す秘薬として使われていたこの薬草の秘密を漏らしてしまった弟を、 怒った兄が切り殺してしまったという伝説に基く。

オドリコソウ

オドリコソウ(踊子草)[シソ科](花期:4〜6月)
2005年5月4日 両神山

花の形が傘をかぶった踊り子の姿を連想させることから命名された。
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)
2005年4月2日 箱根、宮城野

オドリコソウよりかなり小さいので、名前どおりのイメージは?

オヤマノエンドウ

オヤマノエンドウ(御山の豌豆)[マメ科](花期:6〜7月)
2005年6月18日 赤岳・横岳(南八ヶ岳)

山に生えるエンドウ(豆)。

オヤマボクチ

オヤマボクチ(雄山火口)[キク科ヤマボクチ属](花期:夏〜秋)
2007年7月28日 尾瀬

山にあり大きい(雄山)こと。さらに、裏面には白い綿毛が密生していて、それを火打石の火花を移す火口(ほくち)に利用したので雄山ボクチ。 また、葉がゴボウに似ているのでヤマゴボウともいう。 蕎麦のつなぎや漬物に利用される。