花(か〜)

カキドオシ カタクリ カタバミ カラマツ カラマツ カンアオイ カンスゲ キキョウ キジムシロ キタダケソウ キバナアキギリ キヌガサソウ キヌタソウ キュウリグサ キランソウ キンポウゲ ギンリョウソウ キンロバイ クサタチバナ クサボタン クルマバソウ クルマムグラ クルマユリ クロユリ クワガタソウ ケマン コウシンソウ コウヤボウキ コケモモ コゴメグサ ゴゼンタチバナ コマクサ コメバツガザクラ コンロンソウ

カキドオシ

カキドオシ(籬通)[シソ科](花期:春)
2005年5月1日 本仁田山

茎は初めはまっすぐに伸び、開花すると地表に倒れて、つるとなる。 このつるが垣根をつき通してどんどん伸びるのでカキ(ネ)ドオシと呼ばれるようになった。 茎や葉は疳の薬や強壮薬や糖尿病に効果があり、 別名をカントリソウ(疳取り草)という。

カタクリ

カタクリ(片栗)[ユリ科] (花期: 4〜5月)
2005年4月23日 御前山

片葉の葉の模様が鹿の子に似ているので「片葉鹿の子」が「カタカゴ」になり、さらに転化して「カタクリ」 になったという説と、実がクリのいがの中にある実に似ている事から「片栗」と呼ばれるようになったという説がある。
1枚葉の時期が7〜8年あり、その後2枚葉の個体となって開花する。 落葉樹が葉を展開する前に葉を出し、 新緑の若葉が茂り日光が十分射さなくなる5月頃になると 地上部が枯れだし、翌年の春までの休眠に入る(春植物:Spring ephemeral)。
カタクリ
2005年4月23日 御前山

春植物(Spring ephemeral)
ephemeral(エフェメラル)とはカゲロウなどのように、 現れてすぐ消える短命な生き物のことをいう。 周りの木々が葉を開く前の早春に茎や葉を地上に出して花を開き、 木の葉で陰になる初夏には地上部が枯れてしまい、 地下の根茎や種子で後の季節を過ごす植物を指す言葉。 そのはかなさ故に「Springephemeral」とも呼ばれる。 他にアズマイチゲ、セツブンソウ、エンゴサクなども。

カタバミ

カタバミ(片喰)[カタバミ科](花期:春〜秋)
2005年5月21日 石老山(登山口)

夕方になると葉を畳んで、それが半分食いちぎられたように見えるため「片食み」と呼ばれる。 シュウ酸を含むのでかゆみ止めや虫さされに効く。
イモカタバミ(芋片喰)
2005年5月21日 石老山(登山口) 戦後に渡来した南アメリカ原産の帰化植物。
ミヤマカタバミ(深山傍食)
2005年4月24日 箱根・神山
コミヤマカタバミ(小深山傍食)
2005年6月11日 硫黄岳

花弁の脈が稀に紅色を帯びることで、花びらが薄ピンクに見えることがある。 花弁基部は黄色を帯びる。 小葉はミヤマカタバミと比べて丸みがある。

カラマツ(と名の付く花)

モミジカラマツ(紅葉落葉松)[キンポウゲ科](花期:7〜8月 )
2005年7月10日 至仏山(尾瀬)

花が落葉松の葉ににており、また葉が紅葉に似ていることから。
ミヤマカラマツ(深山唐松)[キンポウゲ科](花期:6〜8月 )
2005年6月12日 檜洞丸(丹沢)

葉がモミジカラマツとは異なる。
カラマツソウ(唐松草)[キンポウゲ科](花期:7〜9月 )
2007年7月7日 オジカサワノ頭(谷川岳)

葉などはミヤマカラマツとよく似ているがより大型。さらに写真のように 托葉がある(ミヤマカラマツには無い)。

カンアオイ

カンアオイ(寒葵)[ウマノスズクサ科](花期:春 )
2008年4月6日 角田山(新潟)

名前は冬でも葵い葉(常緑)の多年草に因む。 ギフチョウ(岐阜蝶)の食草として有名。

カンスゲ

カンスゲ(寒萓)[カヤツリグサ科](花期:3〜5月 )
2006年3月19日 高尾山

先端に雄小穂、その下に黄褐色の雌小穂。

キキョウ

チシマギキョウ(千島桔梗)[キキョウ科ホタルブクロ属](花期:7〜8月 )
2004年8月2日 塩見岳

最初の産地が千島であったことから、この名がある。 花筒の内部や縁には細かい繊毛がありイワギキョウとの区別できる。

キジムシロ

キジムシロ(雉筵)[バラ科](花期:春)
2005年5月21日 石老山

花だけを見ると、ミツバツチグリやツルキンバイと同じで 区別しにくい。一番の違いはほふく茎を出さないことと、 左端の葉のように5〜9枚の奇数羽状複葉であること。 名前は、地面に広がる葉を「雉の座る筵」に見立てた。

キタダケソウ

キタダケソウ(北岳草)[キンポウゲ科](花期:6月〜7月)
2008年7月12日 北岳

残雪・梅雨の時期に咲き、7月も後半になれば姿を消してしまう。 そして、北岳でも山頂付近の極限られた場所にしか見られない貴重な花。 写真で見ると花はハクサンイチゲと似ているような感じがするが、実際は 一回り小さく、特にクシャクシャっとした独特の葉と相まって一際可憐な感じがする。 キタダケソウにまつわるエピソードとして、清水基夫(千葉園芸研究科生)が 1931(昭和6)年にハクサンイチゲとは違った白い花を北岳山頂直下で発見、 ガイドの末木登久に聞いたところ「知らない草」という意味で「シラネエグサだ」と 答えたので、清水は「白根草」だと思っていたという話がある。

キバナアキギリ

キバナアキギリ(黄花秋桐)[シソ科] (花期:8〜10月)
2006年9月9日 高尾山
別名:コトジソウ(琴柱草)

アキギリ(秋桐)のは紫色の花に対し、薄黄色なのでキバナアキギリ。 葉の形がキリ(桐)に似ていることから。

キヌガサソウ

キヌガサソウ(衣笠草)[ユリ科](花期:7〜8月)
2005年7月17日 白馬尻

大きな葉を昔高貴な人にさしかけた衣笠にたとえたもの。

キヌタソウ

キヌタソウ(砧草)[アカネ科](花期:6〜8月)
2006年7月1日 櫛形山

柄のついた果実を砧(布を柔らかくするために使う槌)に見立てた。 葉が4枚輪生し、3本の脈が目立つ。

キュウリグサ

キュウリグサ(胡瓜草)[ムラサキ科](花期:春)
2007年5月5日 姫の沢公園(箱根)

ワスレナグサに似ているが花はずっと小さく2〜3ミリ程度の5弁花。 花の中心は黄色。 名前は、葉を揉むと胡瓜の匂いがするから。 花序は最初ゼンマイ状に巻き込んいるが、しだいに伸びて長くなる(写真)。

キランソウ

キランソウ(金瘡小草)[シソ科](花期:春)
2005年4月23日 御前山

別名はジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)。 鎮咳や解熱に効く。

キンポウゲ

キンポウゲ(金鳳花)[キンポウゲ科](花期:春)
2005年5月21日 石老山

別名ウマノアシガタ(馬の脚形)という。 花弁には蝋を塗ったような光沢がある。 キンポウゲの仲間には有毒植物が多く、本種も有毒である。

ギンリョウソウ

ギンリョウソウ(銀竜草)[イチヤクソウ科](花期:春〜夏)
2004年7月11日 鳥倉林道

山地の湿り気のある腐植土の上に生える腐生植物。 透明感のある白色と、姿が竜に似ているのでこの名がある。 薄暗い林の中で幽霊のようなキノコを思わせることから、 ユウレイタケの別名もある

キンロバイ

キンロバイ(金露梅)[バラ科] (花期:7〜9月)
2006年8月13日 北岳

黄色の5弁花は、花だけ見ても区別しにくい。 ミヤマキンバイは光沢のある3小葉だがキンロバイは奇数羽状複葉。 それと、葉に厚みがある。 草ではなく木。

クサタチバナ

クサタチバナ(草橘)[ガガイモ科](花期:6〜7月)
2006年7月1日 櫛形山

花が橘に似ているので...

クサボタン

クサボタン(草牡丹)[キンポウゲ科](花期:夏〜初秋)
2004年8月7日 槍ヶ岳

名前は、対生し縁に鋸歯がある葉がボタンの葉に似ていることによる。 多くのキンポウゲ科の植物と同様に有毒。

クルマバソウ

クルマバソウ(車葉草)[アカネ科クルマバソウ属](花期:6月〜7月)
2006年6月17日 富士見下(尾瀬)

乾燥させるとクマリンという芳香成分で桜餅のような匂いがする(そうだ)。 クルマバソウは葉が6枚のこともあるが、ほとんどが7枚以上の葉をつけるので クルマムグラと区別が付く。

クルマムグラ

クルマムグラ(車葎)[アカネ科ヤエムグラ属](花期:6月〜7月)
2005年6月19日 越前岳(愛鷹連峰・須山登山口)

葎(むぐら)とは、荒地などに生える雑草(蔓草)の総称。 6枚の葉が車輪のように輪生するのでクルマムグラ(車+むぐら)。 オククルマムグラに似ているが、 クルマムグラは茎や葉の裏面が無毛、葉の縁には毛がある。 クルマバソウにも似ているが、クルマバソウは葉が6枚のこともあるが、ほとんどが7枚以上の葉をつける。

クルマユリ

クルマユリ(車百合)[ユリ科](花期:夏)
2004年7月17日 北岳

名前は茎の中央部付近に 6 〜 15 枚の葉が輪生していることから。

クロユリ

クロユリ(黒百合)[ユリ科](花期:7〜8月)
2005年7月17日 白馬岳

佐々成政と侍女・早百合の話は有名。

クワガタソウ

クワガタソウ(鍬形草)[ゴマノハグサ科](花期:5〜6月)
2005年5月4日 両神山

果実と細い萼の形が兜の鍬形に似ているのでこの名がある。 鍬形というのは兜のまびさしの上に二本立っている角のようなものを指す。 オオイヌノフグリと同じ仲間。

ケマン

ムラサキケマン(紫華鬘)とミヤマキケマン(深山黄華鬘)[ケシ科](花期:4〜7月)
2005年4月23日 御前山

アルカロイドを含み有毒。 山に生え、ケマンに似た花を咲かせるのでこの名がある。 ケマンとは中国原産のケシ科植物ケマンソウのこと。 同属種にジロボウエンゴサクがある。

コウヤボウキ

コウヤボウキ(高野箒)[キク科](花期:秋)
2006年10月29日 御前山

和歌山県の高野山で竹箒の代わりに、この木を束ねて箒を作ったことから「高野箒」の名が付いた。

コウシンソウ

コウシンソウ(庚申草)[タヌキモ科ムシトリスミレ属](花期:春)
2009年6月20日 庚申山

国の特別天然記念物。標高1200〜2200m付近の崖にある。 基本的にムシトリスミレと同じ形だが、ずっと小さい。

コケモモ

コケモモ(苔桃)[ツツジ科、スノキ属](花期:6〜9月)
2005年7月31日 根石岳(八ヶ岳)

地面を這う様子を苔にたとえ、秋に熟すおいしい赤果実を桃に見立てた。
コケモモの実
2005年10月16日 天狗岳(八ヶ岳)

コゴメグサ

コゴメグサ(小米草)[ゴマノハグサ科コゴメグサ属](花期:7〜9月)
2004年8月1日 三伏峠

コゴメグサ。小さくて可憐な花。

ゴゼンタチバナ

ゴゼンタチバナ(御前橘)[ミズキ科](花期:6〜8月)
2004年7月3日 仙丈岳

6葉と4葉があり、花(実)は6葉にのみ咲く。 加賀白山の御前峰で見つかり、輪生する葉の中央につく実がタチバナに似ているのでこの名前が付いた。
ゴゼンタチバナの実。
2004年9月12日 中道(鳳凰三山)

コマクサ

コマクサ(駒草)[ケシ科](花期:7〜8月)
2005年7月31日 根石岳(八ヶ岳)

駒は馬を意味し、花が馬の顔に似ているところから駒草。 高山植物の女王と呼ばれるが、女王のイメージとは裏腹に、強靱な根を持ち何も生育していない砂礫地に根づく。

コメバツガザクラ

コメバツガザクラ(米葉栂桜)[ツツジ科](花期:6〜8月)
2005年6月18日 硫黄岳(八ヶ岳)

ツガザクラの花と似ているが、こちらはおちょぼ口。 葉は栂に似たツガザクラとは全く異なり、米粒を平たくしたような形(だからコメバツガザクラ)。

コンロンソウ

ミツバコンロンソウ(三葉崑崙草)[アブラナ科タネツケバナ属 ](花期:5〜6月)
2007年5月12日 蛭ヶ岳

白い花を中国の崑崙山の雪にたとえた?
多くのタネツケバナ属の葉は羽状複葉。本種は名前のとおり3小葉になる。
マルバコンロンソウ
2005年5月4日 両神山