2019年GW:熊野古道 大峯奥駈道(玉置山)、中辺路(滝尻王子→熊野本宮→那智大社)



平成から令和に変わる10連休のゴールデンウイーク…
10連休、最初は佐渡島と立山等を考えていた。しかし、日数が余ってしまう… それなら、元号が変わることにこじつけて熊野古道!

プランは以下のどちらか?  

  1. 大峯奥駈道・順峰(熊野本宮大社→吉野)、6泊程度
  2. 中辺路(田辺・滝尻王子→熊野本宮大社→熊野那智大社)、2~3泊程度

[熊野古道概略図(出典はリンク先から)]
大峯奥駈道・逆峰(吉野駅→熊野本宮大社)は2014年のGW小辺路・中辺路(高野山→熊野本宮大社→熊野那智大社)は2015年のGWに歩いている(テント泊縦走)。
今回は、中盤の天気が不安定なので、とにかく大峯奥駈道を開始。もし雨確定ならば、潔く引き返して、雨をやり過ごしてから中辺路を歩く作戦(中辺路は田辺・滝尻王子→熊野本宮大社が未踏)。 案の定、玉置山で引き返してから中辺路歩きとなった。
※最初の2日間は晴れなので釈迦ヶ岳位までは進めるが、雨を嫌って下山しても熊野本宮駐車場(河原)まで戻る方法が良くわからなかった(タクシー利用は論外)…
大峯奥駈道(ウィキペディア)は熊野古道に含まれるが、他の古道と比べると桁違いの険しい山々が連続する険阻な山岳路であり、観光気分で歩けるルートではない(十津川村の情報)。

実際は以下の通り。

大峯奥駈道(熊野本宮大社から玉置山往復)

27日から最初の二日間は天気は良いものの、その後数日間の予報が芳しくない。とにかく出かけて現地で判断…
26日夕方、雄太が帰宅したらすぐに家を出て、東名高速をひたすら走り翌日の渋滞予定地帯を抜けた亀山PAで車中泊。

(※撮影時刻を写真に付記していますが、あくまで個人の記録で一般的ではありません。参考にしないでください。)


4/27:大峯奥駈道(熊野本宮大社→玉置山)

翌27日熊野本宮大社前の河原にある無料駐車場に車をデポして朝7時過ぎに出発(大分遅くなった)。
※予定通り歩き通せば数日間駐車場に車を置きっぱなしになる。不審車両と見なされないように登山届を出しておこうかと思ったが、ここでは登山届は扱っていないようだ(消防所で聞いた)。強引に出そうと交番を訪れたが誰もいなかったので、未提出で出発。

DSC00922.jpg

DSC00928.jpg

2019/04/27 8:16:36 キンラン(金蘭)
孤高の花。いつも暗めの林の中、一輪で咲いている。キンラン(ギンラン)の群生などというものは見たことが無い。
2019/04/27 8:58:43 吹越権現
ここから大黒天神岳、五体尊岳、大森山と低山とは思えないとんでもないアップダウンが連続する。

DSC00929.jpg

DSC00931.jpg

2019/04/27 9:06:13 熊野川と十津川村 2019/04/27 11:44:37 五体尊岳
強烈なアップダウンをこなしてやっと大黒天神岳から五体尊岳。さらに、大森山まで一旦下ってまた急坂を登ります。

DSC00932.jpg

DSC00935.jpg

2019/04/27 13:10:06 シハイスミレ(紫背菫) 2019/04/27 14:52:27 玉置神社
伝統を感じさせる神社。社務所脇の蛇口から水を分けてもらい、今夜の寝場所は玉置山展望所(トイレ有)と決める。 ここまでは車で来ることも可だが、歩きとなると大変!

DSC00938.jpg

DSC00942.jpg

2019/04/27 15:06:52 玉置神社のイモリ 2019/04/27 15:41:41 世界遺産の碑
とにかく、猛烈に冷たい風が吹きまくる。夏用の手袋では冷たすぎて想定外のテムレスが役に立った!

DSC00946.jpg

2019/04/27 16:30:01 玉置山展望台
今宵の宿、とにかく寒い! 丹沢等1500mを超える山岳地他では雪が降ったようだ。持ってきたダウン等を全て着こんでテントに潜り込む。 外にあるテーブルで宴会…という余裕は無かった!
この時点で二日後以降の天気予報ははっきりと雨...釈迦ヶ岳位まで進んだ時点で雨となる。雨でも進むか下山するか(小屋で停滞か)?  下山となると車回収が非常に面倒、というかよく分からない。これから本格的な山岳路を前に、 寒さも手伝ってやる気をなくし、スゴスゴと元来た道を戻ることに決定。

4/28:大峯奥駈道(玉置山→熊野本宮大社)

下山するだけなので、花の写真等を撮りながらユックリ…が、6日分の食料もあって下山も結構時間が掛かった!

DSC00949.jpg

カンアオイ(寒葵)
昨夜の異様な寒さで近頃不調なカメラの時刻が変調…

DSC00950.jpg

DSC00954.jpg

キランソウ(金瘡小草) 別名:ジゴクノカマノフタ ヒメレンゲ(姫蓮華)
高山型はミヤママンネングサ…私には区別不可。

DSC00957.jpg

ヒメハギ(姫萩)

南紀田辺・白浜観光

熊野本宮大社から紀伊田辺に移動。 雨をやり過ごすため田辺・白浜に停滞…ゴールデンウィーク真っ只中、泊まる宿など既に無くずっと車中泊。 道の駅「くちくまの」で通りかかった熊さんとプチ宴会、南方熊楠記念館京都大学白浜水族館に行ったり。夕方になれば温泉に出かけたり、ほとんど運動せずに過ごし「修行して痩せる!」意欲とは裏腹に少し太ってしまった!

4/29~5/1:雨天のため停滞

   
川湯温泉公衆浴場 入浴料250円、石鹸・シャンプーは別途購入(湯の峰温泉公衆浴場も同じ)。
若干硫黄の匂いがする、内湯のみ…露天など無しの地味な雰囲気がまた良い。
京都大学水族館前から
南方熊楠記念館 熊野本宮大社
暇なので平成最後(4/30)と令和初日(5/1)ともにお参り…

中辺路(滝尻王子→熊野本宮大社→熊野那智大社)

中辺路の概略図(出典はリンク先
3日間も田辺に留まり、やっとの縦走開始。2泊3日のミニ縦走になったが、未踏の滝尻王子→熊野本宮大社を含む熊野古道・中辺路を歩く!
とにかく進み、適当なところで…

5/2:滝尻王子→三越峠(テント泊)

DSC00961.jpg

2019/05/02 6:20:35 滝尻王子
相変わら遅めのスタート。
田辺駅から滝尻王子までも中辺路に含まれ幾つかの「王子」があるが殆どがアスファルト歩き。滝尻王子には無料駐車場とトイレが完備しているので皆ここからスタートする。田辺駅~滝尻王子~熊野本宮大社のバスもある。

「王子」とは要するに「お参りする場所」であり「王様の子供(プリンス)」が居たところというわけではない。

DSC00962.jpg

DSC00966.jpg

2019/05/02 6:21:08
滝尻王子から近露王子までは山岳路の割合が多く、なかなか趣がある。
2019/05/02 6:51:48 不寝王子(ねずおうじ)

DSC00967.jpg

DSC00970.jpg

2019/05/02 6:56:13
森の中、朝日が木々の日影を貫いてなかなか良い雰囲気!
最初は横から...
2019/05/02 7:03:57
場所変われば上から...

DSC00971.jpg

DSC00972.jpg

2019/05/02 7:04:01 2019/05/02 7:25:41
そして、ハッキリとした朝日の下…

DSC00976.jpg

DSC00978.jpg

2019/05/02 8:43:19 高原熊野神社 2019/05/02 8:50:44 レンゲソウ(蓮華草)
めっきり見かけることがなくなった!

DSC00979.jpg

DSC00982.jpg

2019/05/02 9:25:45 大門王子 2019/05/02 11:26:21 ウラシマソウ(浦島草)

DSC00987.jpg

DSC00989.jpg

2019/05/02 12:10:42 近露王子
ここから民家の間を縫うように歩く
水道の蛇口があったので水を補給…
2019/05/02 12:53:05 アカバナユウゲショウ (赤花夕化粧)
艶めかしい名前!

DSC00991.jpg

DSC00992.jpg

2019/05/02 13:10:22 ニョイスミレ(如意菫) 別名:ツボスミレ 2019/05/02 13:18:39
山間の小路…良い雰囲気!

DSC00998.jpg

DSC01001.jpg

2019/05/02 13:39:25 ナルコユリ(鳴子百合) 2019/05/02 13:59:43 
ホッとする雰囲気!

DSC01003.jpg

2019/05/02 14:26:40 小広王子
この先から再び山道。そろそろ幕営場所を探す。

[三越峠で幕営]
山間なので幕営場所は幾つかあるが杉林は好かない…蛇型地蔵付近、澤水ながら蛇口から水が流れ出ていたので補給。幕営スペースとトイレもあったが、やはり杉林で好きになれない。少々暗くなっても良いから発心門王子まで行くつもりで歩き続けると三越峠(みこしとうげ)に出た。開けた場所で何と(澤水利用だが)水洗トイレも完備されている休憩所があったので、ここを幕営場所にする。


5/3:三越峠→熊野本宮大社→小口自然の家(テント泊)

DSC01006.jpg

2019/05/03 6:05:42 三越峠
「ピュルルルルルー」というアカショウビンの声に送られて出発!

昨夜、静かで誰もいない峠、持参した酒を二人でチビチビやりながら気持ちよく眠りに落ちた。
深夜、目が覚めて表に出ると溢れんばかりの星、そして一つが一直線に流れた!

DSC01010.jpg

DSC01011.jpg

2019/05/03 7:36:50
たまにはこういう路を歩くのも良いもんだ! 田舎生まれの自分には懐かしい景色…
2019/05/03 7:43:20 ウマノアシガタ(馬の足形)
高山型は「ミヤマキンポウゲ」、私に両者の区別は不可。

DSC01012.jpg

DSC01013.jpg

2019/05/03 7:43:42 ムラサキサギゴケ(紫鷺苔) 2019/05/03 7:44:10 セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)

DSC01014.jpg

DSC01016.jpg

2019/05/03 7:44:37 レンゲソウ(蓮華草) 別名:ゲンゲ(紫雲英) 2019/05/03 7:57:11 水呑王子

DSC01023.jpg

DSC01027.jpg

2019/05/03 9:20:16
熊野本宮大社の真上に出ます。
2019/05/03 9:26:14
平成最後の日と合わせて令和最初の熊野本宮大社

DSC01031.jpg

DSC01034.jpg

2019/05/03 9:47:45 大斎原(おおゆのはら)
大斎原の大鳥居、上部真ん中の丸いものはモチロン八咫烏!
熊野本宮大社に令和最初のお参りをしたら大斎原を通って請川(小雲取越え入口)へ。
2019/05/03 10:41:57 請川、小雲取越入口

DSC01039.jpg

DSC01045.jpg

2019/05/03 13:55:56 茶屋跡
所々に…
2019/05/03 14:56:17  
小雲取を越えて、小口自然の家(キャンプ場あり)へ…

DSC01047.jpg

2019/05/03 16:04:02 小口自然の家
お風呂(キャンプ代に含まれる)に入ったらビールを購入してテーブルで、その後はふかふかの芝生の上で宴会!
一面にムラサキサギゴケが咲いていて、踏みつけるたびに心が少々痛んだ…

5/4:小口自然の家→熊野那智大社

 

DSC01050.jpg

2019/05/04 6:17:47 大雲取越
歩き出しから延々と約800mの標高差を越前峠まで、厳しいのぼりが続く(胴切坂)。ただ、道は広く整備されているのでジックリ景色などを眺めながら登れば意外と…

DSC01055.jpg

DSC01057.jpg

2019/05/04 6:50:32

岩場に咲くツツジ、前回も見たような気がする…
2019/05/04 7:11:38 ガクウツギ(額空木)
何となく甘い香りが漂っていた

DSC01058.jpg

DSC01061.jpg

2019/05/04 7:58:49
延々と続く胴切坂…
2019/05/04 8:49:11 鹿

DSC01066.jpg

DSC01070.jpg

2019/05/04 9:41:43 野うさぎ 2019/05/04 9:54:45 イモリ or サンショウウオ?

DSC01071.jpg

DSC01074.jpg

 2019/05/04 10:19:59 フモトスミレ(麓菫) 2019/05/04 13:06:38 熊野那智 青岸渡寺

DSC01077.jpg

DSC01084.jpg

2019/05/04 13:10:09 那智の滝
早々にお参りしたら、滝つぼには寄らずバス停を目指す。バスで那智勝浦、特急「くろしお」で田辺駅に向かう。
2019/05/04 17:07:40 紀伊田辺駅
この後、バス(2番線)で滝尻まで。 滝尻で車を回収したら帰路につく。

まとめ

ひたすら歩き、適当なところで幕営…歳のせいか、こんな旅が身についてきた。

食料

乾燥野菜には2種あるようだ。 乾燥方法は言葉から容易に連想できるが、フリーズドライ製品は高額になるようであまり見かけない。 エアーズドライ製品は風を吹きかける際に野菜が傷つかないようブドウ糖を混ぜるようで甘い!…が、前者より安い。

購入したのは以下の2種
 カネタ 徳用 野菜たっぷり味噌汁の具 100g×4個(¥1,512) => キャベツのみ中国産、そして
 九州ドライベジ 乾燥野菜 九州産 野菜&わかめ ミックス 100g 1袋(¥1,450) => こちらは全て日本産。
なんと、キャベツのみで値段が4倍!
どちらもカナリ甘い。ラーメン等に加えると若干微妙な味になるが贅沢は言えない…

衣類

ザック重量

約17Kg強(初日、水を含む)
約13Kg程度?(中辺路)
中辺路のザック、大きく重そうに見えるが、実は大きなマットを詰め込んでいるので見た目ほどではない。

以上